2018年度プロ野球戦力分析【パシフィック・リーグ】
■順位予想
1位:福岡ソフトバンクホークス
2位:オリックスバファローズ
3位:埼玉西武ライオンズ
4位:東北楽天ゴールデンイーグルス
5位:千葉ロッテマリーンズ
6位:北海道日本ハムファイターズ
■球団別分析
【戦力評価/5段階】
打撃:5
走塁:4
守備:5
先発:4
中継:5
采配:4
【ベストオーダー】
1(遊)今宮
2(二)本多
3(中)柳田
4(一)内川
5(指)デスパイネ
6(左)中村晃
7(三)松田
8(右)上林
9(捕)甲斐
【先発】
・東浜
・千賀
・武田
・バンデンハーク
・和田
・中田賢
【主な中継ぎ】
・森
・嘉弥真
・岩嵜
・モイネロ
・石川柊
【抑え】
・サファテ
【寸評】
昨年は圧倒的な強さを見せて無事にリーグ優勝を果たし、日本一にも輝いたホークス。今年は即戦力では目立った補強はせずに、既存の突き上げで連覇を目指す。
OP戦は、長い間戦力の見極めが続き、それによって落とす試合が多かったが、終盤「勝ちにこだわる」といった期間はきっちりと勝てていることから、順位ほど不安定感は無いというのが実情だろう。
先発も枚数こそやや不安定にはなるが、安定感の強い投手をこれだけ揃えられるのは強い。
中継ぎも、森岩嵜サファテの勝ち継投に加えて嘉弥真、更には昨年のドラフト1位、田中正も加わり、勝ち試合を落とさない陣容ができあがっている。
打線はほぼ変わりなし。上林が長いトンネルに入っていることが気がかりだが、江川や城所と併用するのもいいだろう。お試し枠にして、真砂などを起用してもいいかもしれない。
全体的には隙のない戦力が揃っているが、気になるところもある。
OP戦前半は戦力の見極めに使っていたというのは前述の通りだが、その期間にめぼしい選手がそこまで出てこなかったというのは気になる。田中正と育成から支配下に上がった堀内くらいの物で、後は再び二軍へと戻っていった印象だ。
強いチームなので、層が厚いなどと言われるが、一軍の壁が厚いため、二軍戦力との開きがある。そんな気配も感じられた。そのあたりの世代交代や競争が、常勝球団になるためのカギなのかもしれない。
【期待の若手】
投手→田中正
野手→九鬼
投手は田中正。まだ変化球の精度を含めて、絶対的という内容にはないが、ストレートの力はかなり戻っている。敗戦処理に近い立ち位置でまずは一軍で働くところからだろう。ゆくゆくはエースになることを期待したい。
野手は強いて言うなら九鬼。練習試合でびっくりするような強肩でランナーを刺していた。今年は一軍の捕手に怪我人が相次いでいるため、アピールチャンスかもしれない。
【戦力評価/5段階】
打撃:4
走塁:4
守備:4
先発:4
中継:4
采配:3
【ベストオーダー】
1(中)宗
2(二)山足
3(左)吉田尚
4(右)ロメロ
5(指)マレーロ
6(三)小谷野
7(左)T-岡田
8(捕)伊藤
9(遊)安達
【先発】
・金子
・西
・山岡
・ディクソン
・アルバース
・田嶋
【主な中継ぎ】
・近藤
・黒木
・金田
・小林
・金田
【抑え】
・増井
【寸評】
昨年四月は快進撃で2位につけるも、主砲ロメロの離脱も絡み、最終的にはBクラスに沈んだオリックス。今年は、メジャーへ移籍した平野の代わりにFAで増井を獲得。更にはドラフトでは社会人No.1左腕の田嶋を久々に抽選に勝ち、獲得。新たな戦力と既存の底上げで優勝を狙う。
OP戦を見ていると、とにかく機動力を重視しているのが分かる。去年はリーグ最下位の盗塁数に終わった事もあってか、今年はOP戦からよく走っている。また、投手陣は防御率がいいことに加えてK/BBで非常に好成績を残した。チーム全体で意識改革をしているのではないかという数字が垣間見える。
先発はBクラスに沈んだチームの中ではかなり盤石だ。新戦力なしで4人までは問題なく埋めることが出来、上記の投手以外にも吉田一や山本など、先発を出来る投手が揃う。
中継ぎは勝ち継投以外が若干もろいが、勝ち継投は盤石で、ここをどれだけ疲労させずに使っていくかは一つのポイントといえるだろう。
打線に目を向けると、ロメロマレーロの外国人打者に加え、吉田T- 岡田の日本人スラッガーが並び、破壊力は十分。後は脇を固める打者がどれだけ得点機会を作っていけるかというところにかかってくるが、その役割は宗や新人の山足に期待したい。
【期待の若手】
投手→榊原
野手→宗
投手は榊原。去年から注目株であったが、ついに支配下登録された。高卒二年目とは思えない球を投げており。かなり楽しみな選手。
野手は宗。割と話題にもなったが、非常にスイングをしている。外寄りの速球がやや弱点に見えるので、そこをどう解決するか次第で今年の成績が決まってくるといえるだろう。
【戦力評価/5段階】
打撃:5
走塁:3
守備:4
先発:3
中継:4
采配:4
【ベストオーダー】
1(中)秋山
2(遊)源田
3(二)浅村
4(一)山川
5(捕)森
6(指)メヒア
7(三)中村
8(右)外崎
9(左)金子侑
【先発】
・菊池
・十亀
・ウルフ
・高木
・カスティーヨ
・多和田
【中継】
・ワグナー
・武隈
・平井
・高橋朋
・野田
【抑え】
・増田
【寸評】
昨年は中盤の連勝もあり、2位でフィニッシュした埼玉西武ライオンズ。今年は外国人をほぼ一新。更にはドラフトでも即戦力候補を複数獲得し、上積みをしたうえで優勝を目指す。
OP戦は概ね、今までの西武とは真逆の戦い方が目立った。打線はほとんど点を取れない一方で、投手陣が奮闘し、何とか守り切る野球である。
先発は厳しかった前年からさらに野上が流出。新戦力としてカスティーヨを獲得したが、通年で使えるかどうかは怪しく。既存戦力の頑張りが必須となる陣容だ。
リリーフも牧田とシュリッターが抜け、代わりに高橋朋が戦線復帰、更にはワグナーを獲得したがこちらもかなり怪しい内容が続いており、余り期待するのは危険。
打線はOP戦こそそこまで結果は出ていないが、相変わらず力強い陣容が並ぶ。強い振りが目立つ一方で、どうしても波のある選手が多いので。投手陣がこれをカバーできるかが上位進出のカギといえそうである。
【期待の若手】
投手→伊藤翔
野手→愛斗
投手は伊藤翔。確実に活躍するとまでは言いきれないが、年齢を考えるとかなりのものだといえる。今年だけではなく今後の成長にも期待がもてるだろう。
野手は愛斗。初めてじっくりと見たが非常に力強い振りをしている。足も速いようなので、外野の両翼で出番があるのではないだろうか。
【戦力評価/5段階】
打撃:4
走塁:3
守備:4
先発:4
中継:4
采配:4
【ベストオーダー】
1(遊)茂木
2(右)ペゲーロ
3(二)銀次
4(三)ウィーラー
5(指)アマダー
6(一)今江
7(捕)嶋
8(左)岡島
9(中)島内
【先発】
・則本
・岸
・美馬
・藤平
・辛島
・池田
【主な中継ぎ】
・ハーマン
・釜田
・高梨
・福山
・菅原
【抑え】
・松井
【寸評】
昨年はシーズン中盤まで首位につけるも、後半失速。最終的にはAクラスにこそ残ったものの3位まで転落してしまった。今年は基本戦力は変わらず、外国人もO・ディクソンを獲得した程度で、既存戦力の上積みで、もう一度優勝を狙う。
OP戦でまず気になるのは三位という順位である。この順位は基本的にろくなことにならず、「呪い」があるとまで言われている順位で、どうしても引っかかってしまう。
先発は則本岸美馬の三枚看板は相変わらずで、そこに藤平や池田が加わってくる。ただ、表は盤石だが、裏は通年の実績がないピッチャーが並び、それ以下の序列になる投手陣も谷間が精一杯なのは気がかりだ。
中継ぎは去年と変わらず。福山がOP戦で燃えているというのが気になるが、全体的には前年とそこまで変わらない成績を残してくれるのではないだろうか。ただ、去年は快進撃に欠かせなかった森原が二軍スタートとなっており、不安はぬぐい切れない。
打線は去年から大きな変更はない。相変わらずウィーラーを含めた一部野手の波が激しいので、そこを控えや投手陣でどれだけカバーできるかがカギだろうか。
【期待の若手】
投手→藤平
野手→岩見
投手は藤平。昨年もその片鱗を見せたがノビのあるストレートに加えスライダーで空振りを取れる本格派。まだ若いが二桁勝利の可能性もあるだろう。
野手は岩見。現状では一軍に入っていないが、打撃はかなりの物なので、出番があることに期待したい。
【戦力評価/5段階】
打撃:3
走塁:4
守備:4
先発:4
中継:3
采配:4
【ベストオーダー】
1(中)加藤
2(右)菅野
3(二)中村
4(左)角中
5(一)井上
6(三)鈴木
7(遊)藤岡
8(指)福浦
9(捕)田村
【先発】
・涌井
・石川
・唐川
・酒居
・ボルシンガー
・二木
【主な中継ぎ】
・松永
・益田
・シェッパーズ
・大谷
・南
【抑え】
内
【寸評】
昨年は開幕から絶望的な貧打にあえぎ、故障者も続出。後半はそこそこ良い戦いを見せたが、序盤の負債を最後まで返すことはできなかった。今期は外国人をほぼ一新。ドラフトでも社会人を中心に指名し、井口新監督のもと立て直しを行っていく。
OP戦を見ている限りだと、実に良い走塁が目立ったのがロッテだ。この辺りはヤクルトと近いイメージでどちらも首脳陣が一新されたという共通点がある。
先発は涌井唐川石川の三本柱に加えて、二木や酒居、更には新戦力のボルシンガーが並ぶ。中継ぎは同じく新外国人のシェッパーズを加え、去年より頭数は増えた。
ただ、両外国人とも不安要素はあり、特にボルシンガーは何らかのレベルアップが無い限り通年では使い難い成績になりそうな気配がある。
打線は非常に活発だ。足を絡めた攻撃も含めて非常に良く点が取れている印象だ。そういう意味で「点を取る意識」はかなり改善されたといえる。
しかし、OP戦のHRはなんと3本。もちろんHRだけが全てでは無いが、打線のつながりを欠いた時に同じように得点を重ねられるのかという部分にはかなり疑問が残る。
全体的に意識改革は進んでおり、前年は外れ値であると考えれば、健闘するようにも思えるが、致命的ともいえる長打不足がどうなるかがシーズンのカギだろう。
【期待の若手】
投手→成田翔
野手→中村奨
投手はあまり思いつかなかったが、成田にした。去年登板したときにもそれなりにいい投球をしていたので、今年さらなる活躍に期待したい。
野手は中村奨。非常にいいバッティングを続けており、守備位置も固定されたことで、今年一気に躍進する可能性もあるだろう。
【戦力評価/5段階】
打撃:4
走塁:3
守備:4
先発:3
中継:3
采配:3
【ベストオーダー】
1(中)西川
2(右)松本
3(指)近藤
4(一)中田翔
5(左)大田
6(三)レアード
7(二)横尾
8(捕)清水
9(遊)中島
【先発】
・有原
・マルティネス
・ロドリゲス
・上沢
・高梨
・加藤
【中継】
・白村
・宮西
・田中豊
・公文
・石川直
【抑え】
・トンキン
【寸評】
昨年はシーズン序盤に大きく出遅れ、中盤以降若手の台頭を中心にそこそこ巻き返しを図ったが、Bクラスに沈んでしまった。今年はレアード以外の外国人を一新し、ドラフトでは清宮のほか、即戦力の社会人西村を獲得するなどし、再び上位進出を目指す。
OP戦では投手よりも打者の台頭が目立っていた。先発は新外国人のマルティネスとロドリゲス。中継ぎは同じく新助っ人のトンキン。彼らがきちんと働いて、漸く勝負になるかというレベルで、かなり厳しい台所事情が見て取れる。
一方野手陣は昨年台頭した横尾、大田。さらには太田賢など、期待感のある若手が並び、怪我離脱した近藤も相変わらずの打撃を披露している。
しかし、助っ人のアルシアのアジャストに時間がかかっていることや、彼を使う場合、ロドリゲスかマルティネスが使えないという事のもあり、全体的に既存戦力の上積みが必須となる苦しい戦力具合が見て取れた。これを好機と見た若手がどれだけ台頭できるかにシーズンの出来が左右されそうだ。
【期待の若手】
投手→石川直
野手→横尾
投手は石川直。昨日抑えで登場し炎上したが、ポテンシャル自体は抑えを出来るだけのものを持っている投手。一皮むけることを期待したい。
野手は横尾。昨年台頭してきた若手だが、今年は打席でのどっしり感が増した。本人にもいい意味で余裕が生まれ、更なるブレイクに期待が持てそうだ。
若干の追記をして公開予定です。良かったらどうぞ。